さしより備忘録

簡単な世界じゃないからワクワクするね

特別な夏。初めての夏。サマパラの夏。

3月から時が止まったまま彷徨うように生きていましたが、ようやく夏がやってきました。HiHi Jetsができて約5年。春夏秋冬常に何かしらの現場があったので、気がつけば現場がないと季節を体感できない体になってしまっていたような気がします。橋本涼は夏の季語。


8/18〜20に行われたHiHi Jetsのサマパラ配信。申し込めば全部見れる形のライブは初めてで、予定組むのがいつもより楽なのが最高でした。会場は家だけど。


ライブ前は美容院とか服を買うとかコスメ買うとか、「参戦」するからには戦闘態勢を整えていましたが、今回はその必要なし。でもなんだかんだコスメや香水を新しく買って、いつものコンサート前の気分。自分にとってコンサートはハレの日なのだと改めて感じました。現場前ってなんで新しいコスメが欲しくなるんですかね。武装用??


怒涛の3人期間を経て、さて何をするのかなってところで決まったライブが中止になってたので、待ちに待った今のHiHi Jetsの作るライブ。19歳最後の瑞稀くんを生で見れないのは残念だけど、楽しみで楽しみでこのブログ書いてる時点で最近何やってたか記憶ないです。



緩やかに動いていたTwitterの流れが活発になって、初のオンラインライブをどう乗り切るか?の議論が交わされていたのが時代の変わり目って感じがしてわくわく。家やあちこちのWi-Fi速度測ってるオタクもいれば、回線が安定したWi-Fiに変えるためにわざわざ工事したオタクもいるし、配信のためだけにWi-Fi求めて実家帰るオタクやポケットWi-Fi契約したオタクもいて、みんな回線の良さと戦ってた。私は友人の中でもっとも強いWi-Fi契約してる子の家に行きました。双眼鏡の次は回線が大事になる時代かもしれないですね。


3日間のライブは全ステしたかったけど、3日目だけフルで見ることにしました。月曜の時点で3日分の食事作り終えたオタクとか、18時公演のために高速道路飛ばして帰るオタクとか、いつものコンサート期間とはまた違った戦いがあってちょっと面白かった。私も休みとってみる予定だったけど結局仕事が入って、移動中にコンサートが始まっちゃってあーあーーってなりながら見てました。いつもだったら貴重な1公演で何がなんでも見るけれど、配信なら確実に見られるし、残りの公演もあるならちょっとくらいの見逃しは自分の中で許せた。配信っていいな!お金払えば確実に当たるから。





前置きが長いな。とにかくコンサートが楽しみで、配信でもHiHi Jetsは楽しかった!やべえって感想しか出てこないくらい、普通に楽しかった。

特に最高だと思ったのは「セトリ」「新しい演出」「瑞稀ソロ」「ユニット」の4つ。全部楽しかったけど、今回光って感じたのは特にここだと思います。


セトリについて

HiHi Jetsの強みのひとつ、セトリの組み方のうまさ。優斗くんがセトリに関わるようになってから明らかに良くなって、それに影響されてか他のメンバーも曲選びや魅せ方がぐんと上手くようになった気がしてます。飽きさせない曲つなぎ、雰囲気の違う曲を違和感なくつないでみせる技術、いろんなグループのいろんな年代の曲をなんなく組み込んでしまうHiHi Jetsのコンサートは本当に面白いです。


今回はKAT-TUNの「Peak」からの「butterfly」の繋ぎが異様にうまかった。ぼーっと聞いてたら曲が変わったのに気がつかないくらいの自然さ。猪狩が跳ねたら次の曲になってた。

曲選びのうまさも本人たちの才能の一つといえると思う。共同楽曲合わせてオリジナル曲を20近く持ちながら、ふんだんに披露してそこに先輩の曲を入れてもコンサートとして完成するセトリを作るのは本当にすごい。嵐、キスマイ、関ジャニKAT-TUN。全くカラーが違う先輩たちの曲をHiHi Jetsらしく、でもリスペクトを失わずにファンに見せつけてくれる。

見せたいものや方向性がはっきりしていて、何も考えずに見てもすごく楽しいコンサートでした。なんで次この曲にした?とか、移動でメンバーがおらんやんけ!重要なところなのに!!とか、なんだこのトンチキは?みたいなのがない、5人をうまく見せながらファンを飽きさせないセトリだったと思います(サイモンとジョニーはトンチキかもしれないけど)。

新しい演出

そして「新しい演出」。HiHi Jetsのローラースケートを活かしたパフォーマンスはよく見る機会があり、今までもキャスター付き椅子と滑ったり、バトンを持ってみたり、坂を登ってみたりさまざまなものを見せてもらいましたが、今回は光るキャスター付きバー。オタクたちからは「光レッスンバー」とか「猪狩の光るベビーサークル」とか呼ばれてました。




画像が載せられないのが残念。絵にしたら伝わるかなと思ったけど絵心なかった。光るキャスター付きバーは2種類あって、バレエのレッスンバーのような形で持ち手の部分が光る仕様のものと、同じく手すり部分が光り、円状でくっつけたり離して半円にしたりできるものでした。今まで見たことない謎の手すりって感じ。

このバーの扱いがうまかった。はじめは横にして柵のように扱ったり、平行棒みたいに縦に2本並べて道として使ったり電車ごっこみたいに入ってみたり、バーの下をしゃがんで潜り抜けていったり。手すり一つでこんなに遊べるの?ってくらい大活用。


円状のものは全部くっつけて、ほんとベビーサークルみたいに丸くして掴んでぐるぐる回ったり、そのままの勢いでバーに座ったり、背中をがっつり預けてみたり、見てて冷や冷やするほど細心の技を見せてくれました。

そんな新しいおもちゃを一度で終わらせないのがHiHi Jets。一度「Peak」「butterfly」で登場させた後、つなぎのパフォーマンスコーナーで光るサークルが再登場しました。これが新時代だった!!!


瑞稀くんと蒼弥くんだけのパフォーマンスからスタートしたそれは、初見だと理解が追いつかなくて混乱した。鏡のように、画面の左右にいる瑞稀くんと蒼弥くん。画面から消えたり、出てきたり、左右対象に見えてそうじゃない。そのうち他のメンバーも出てきて、万華鏡みたいにくるくると滑り舞って、両画面がすーっと動き出して真ん中にみんな集合。そこでカメラを二台使った演出をしてることに気が付きました。



絵で伝えるのが難しい。おそらくステージの真ん中にカメラを置いて、ステージの左右の様子を撮ってそれを画面上でくっつけることで鏡のような、左右対象っぽく見える錯覚のような映像に見せていたんだと思います。ただ映すんじゃなくて、映像配信だからこその演出。生のコンサートでも、のちに円盤化されるときでもこんな演出を見ることはないじゃないかな。「配信」を逆手にとった粋な魅せ方だと思いました。新時代の香り。松潤でも思いつくんかこれ?っていう結構衝撃的な演出でした。(潤くん引き合いに出してごめん)




「このコンサートを妥協で作っていない。完璧のコンテンツとして届ける」と言った猪狩蒼弥。その通りだった。生が無理なら、配信に合わせればいいじゃないって考え。いつだって最適解を見つけ出す思考と、それに挑戦的な姿勢は本当にHiHi Jetsのいいところだなあと思います。


生で見せられないからこそ、今までやってこなかった曲をやってみよう。つなぎにコントを入れてみよう。「配信」に即合わせてきたHiHi Jetsは時代をうまく捉えているような気がします。生のコンサートだったら、つなぎで毎回コントタイムを入れる余裕はないし(ステージで待ってる感じもあったし)、客が目の前にいないのをいいことに、(反応を直接浴びなくて済むから)やってこなかった曲をやれるし、その考えに至るの面白い。

ユニット

いつもと違うからこそ、「ユニット」はいろんな魅せ方があって面白かった。失われた春祭りからユニット構想はあったみたいだけど、配信にうまくはまったような気がします。


つなぎコントの橋本×作間の「サイモン&ジョニー」しかり、ガチガチに作り込んだ瑞稀×猪狩の「ずきうや」しかり、配信時間で最も長い時間を使った優斗×橋本×作間の「友達申請」しかり、コント多めですがいろんな組み合わせで新しいことをしていたのは新鮮だった。


今までHiBシャッフルやHiHi侍シャッフル、はしみずwith少年忍者とグループを超えたユニットというかコラボ曲はあったけれど、グループ内でユニット曲をしっかりやったのは初な気がする。はしみずの絆〜青春アミーゴとか、羽場猪狩のきっと大丈夫とかは本当に初期でクラJも一緒だったから、まあユニットでもないし。

コントは昨年のサマステから味をしめたのか、そもそも本人たちの好みもありそうだけど、きっちり配信時間が決まっている中で5分以上と強気の姿勢。観客なし、スタッフのみのステージで笑い声の反応もない中、小学生コントを繰り広げる優斗くん涼くん作ちゃんは本当に強心臓だなと思いました。心が折れることなく、僕らの楽しい!!を届けきった3人に拍手を送りたい。「友達申請」は取り憑かれ曲で、あんなにかっこいいライブだったのに口ずさんでしまうのがこれなんだよ。右、左、右左〜あらよっと!(クソデカゆうぴボイス)



曲をコントでつなぐ試みもよく思い付いたよね。文化祭みたいな感じもして、面白かった。サイモンとジョニーの時の方がMCより流暢に喋る作ちゃんがかなりツボでしたが、最もリハ時間を費やしたと聞いて納得。コントコントコント。はしさくをここまで突き動かすものは何なんですかね。ほんと。


そんな楽しいユニットの中で、正統派というか同じグループの仲間だからこそできたユニット「ずきうや」。ライブ前にリリース動画をアイランドTVにあげ、オタクをざわつかせるところから"エンターテインメント"は始まっていたのでしょうか?


毛皮に身を包み、王座に腰掛ける2人。サイモン&ジョニーのコミカルな曲紹介から一転して、そこには2人の世界がありました。「SNSじゃ誰もが有名人 じゃ上がってみるか?俺らのSTAGE」と素人でも有名になれるSNSの時代に上手く突き刺さる表現。そして、そんな時代に対して「散々待ったluckyはもういい自分の腕で掴み取るright now」と歌うジャニーズ10年選手の瑞稀くん。

この事務所を選び続け、ここでトップを目指してショービジネスの世界に食いついているHiHi Jetsらしい歌詞だと思いました。特にプロ意識が高く、どうやって人に見られるか?を意識している瑞稀くんと猪狩が歌うこの歌詞は気高くも感じます。


HiHi Jetsの「JET」は、Johnnys Entertainment Teamの略。確実に彼らに根付いているエンターテインメントを感じた瞬間でもありました。でも、最後に歌う歌詞は「王道避けて登りつく頂上」なんですよね。ある意味王道なのに王道じゃないと歌う皮肉さ。若さが見え隠れしてます。


瑞稀ソロ


大人巻き込んだな瑞稀!
自分のソロコーナーをファンの投票制度にするという、オンラインをリアルタイムに感じさせる、「俺らのライブは参加型」を具現化したサプライズ演出でした。

投票があることをまだ知らないときに伝記でお知らせ、次の昼に投票枠がオープン、当日まで投票可能という流れとシステム。わざわざシステムを作ってくれた大人の人、これをOKしてくれた大人の人ありがとう。

最終日まで歌えてない曲があって、伝記でさりげなくお願いしたのも瑞稀くんらしいなと思いました。弱いふりして意見を押し通すのが彼の手法の一つ。でも嫌な感じがしなくて可愛いのが魅力でもあります。


今回の選曲は二宮和也くんの「虹」「それはやっぱり君でした」、SexyZoneの「名脇役」、King&Princeの「宙(SORA)」の4曲。ジャニーズの王道恋愛バラードかつ自担に歌ってほしいランキング上位に食い込みそうな曲たち。歌唱力勝負一本に出る。歌に真っ向勝負をかけたなと思いました。


もともと小さな頃から歌が得意だった瑞稀くん。綺麗なボーイソプラノで、数々の舞台で子役として歌唱部分を任されてきました。感情や情景を歌声に乗せるのが上手で、声変わりしてもその声の美しさを保ったまま大人になっています。

今回のサマパラで今までよりもレベルアップした歌声を響かせていました。彼が選んだ4曲はどれも主人公の心情を歌うもので、その主人公のように歌う瑞稀くん。弱さや悲しさ、愛おしさ、そんな繊細な心情を歌声に乗せて表現できていたように思います。シンプルにいうと歌うまい。


マイク一本でステージに立つ瑞稀くんはソロコンか?と錯覚するくらい画面の向こうまでその世界観を届けていました。会場にいたら、私は息をすることもできずにペンライトを握りしめていたんだろうな。


相変わらず歌詞に忠実な手振りで、苦しいは自分の首を絞める、優しいは自分の頭をぽんぽんする、心は胸に手を当てる、重ねるは手を重ねる、思い出すは頭に手をかざす、聞こえるは耳に手を当てる……などなど、素直に歌詞を受け取る姿は変わらなくて愛おしかったです。小さい時から全く変わっていない。

今回の取り組みは、瑞稀くんの歌が4曲も聴ける上に、投票制で直前までどの曲が出るか分からなかったので、コンサートのリアル感を感じられました。特にオーラスの日は、本人がやりたがってた宙がでるかな?最終はやっぱり名脇役?と発表のドキドキ感がすごかった。友達と見ていて、曲の前奏が流れ出した瞬間にうわーってまるで本当のコンサートみたいに盛り上がって、歌い出したらみんな黙り込んで曲に集中して、あの高揚感はライブの感覚でした。


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全体の感想としては、オンラインだろうが生だろうがHiHi Jetsのライブへの想いは確かだということを感じたコンサートでした。


たぶん、提案したらやりたいことは通りそうなサマパラで、トラジャのソロコンでも人によっては映像を作ってもらったり、バックを指定したり、7MEN侍ではドラムのデザインを嶺亜くんが考えていたり、ジュニアのやりたいことが詰め込まれていました。

その中でもHiHi Jetsはこだわりが強かったように感じます。おそらく本人たちが要望を出したであろう映像演出では、だぁどらこと「メンバー紹介ラップーで歌詞を視聴画面に出す、猪狩ソロ「Klaxon」も金魚や自転車といった印象的なネオンモチーフを視聴画面に流し、デジわが流れる映像パネルには夜の街を見下ろす部屋のような映像を映し出していました。ずきうやユニットも歌詞が画面にたくさん映し出されてましたね。他のサマパラで見たことない演出がいっぱい出てきて金かかってるなという印象。

映像パネルに流れる映像もこだわりが多く、「駆ける」では、メンバーカラーの光が飛んだり、道の歌詞に合わせて道が出てきたり、ずきうやユニットでは白と黒をキッパリと分けて歌詞の世界観を表していて、細部まで抜かりないと感じました。

オープニング映像は、昨年の8.8祭をメインに集めてつなぎ合わせたもので、まるでいつも東京ドームでコンサートしてるみたいと本人たちも言っていました。どこまでが本人たちの意思か分からないけれど、妥協しない彼らの希望を叶えてくれるスタッフさんに恵まれているのかなと思います。



配信ながらアンコールのコールもちゃんもあって、パッケージ化されたコンサートを感じました。鶏とか牛の鳴き声もあったので、HiHi Jetsのライブは多種多様な生物が見てるのかもしれませんね。なんでアンコール音源に動物の声が入ってるんだ??ちょっとした遊び心が散りばめられているので、HiHi Jetsのライブは見れば見るほど新しい発見あります。


YouTubeでは、ライブを作り込む様子がドキュメンタリーのようにまとめてありました。彼はもうプロフェッショナルなんだなあと、年齢関係なくショーの世界に生きているんだなと思いました。

今回のライブに自信があるっていうくせに、ファンの人に届くかなって不安に思ったりしていて、「You達、最高だよ」って伝えたくなります。


こんな状況だけど、この時代を駆け抜けて行こうとしてるHiHi Jetsがやっぱり好きだなと思いました。

次のライブを見れるのはいつになるか分からないけど、今回のライブですごく心が満たされた。やっぱりエンターテインメントは私にとっての栄養なんだと思います。


最後にお決まりの言葉。

「俺たちについてきてくれますか?」

ハイハイ!