さしより備忘録

簡単な世界じゃないからワクワクするね

サマパラはHiHi Jetsの立志式だった

今年の夏は特別な夏になる気がするから、私が見たHiHi Jetsのサマパラの感想を書き残しておきたいと思います。


春夏秋冬"現場"があるのが当たり前で、HiHi Jetsを追いかけていれば季節が過ぎていく日々が遠い過去になって、HiHi Jets5人の生のステージはもう2年もお預け状態だった。


ようやくやってきた夏。直接会えない間に、少年たちがもう大人にぐっと近づいていて、悲しいくらい早くすぎる時間に、このご時世をちょっと恨みたくなった。とんでもないスピードで成長してた彼らのコンサートが、私には彼らの立志式のようにも見えました。思い出というより、感じた気持ちを綴ります。

衣装の話

まずはなんといっても衣装。とりあえずこの話をさせてほしい。

私は衣装大好き人間なので、もうもちろん穴が開くほど双眼鏡で布を観察して生きてきたのですが、今回はこれまでのコンサートと大きく違う点に「衣装」があったように思います。


第一にオリジナル衣装が一気に増えたこと。これまではテレ朝夏祭り用に夏に1着、HiB揃って衣装が作られてきました。コンサートのたびに新衣装が作られるわけでもなく、新お下がり衣装が増える程度。


しかし今回は、HiBお揃い(テレ朝キャンペーン用)に加えて、赤と黒を基調にした型が同じでアレンジが異なる和柄入りのジャケット衣装、黄色と黒を基調とした型違いで個性あふれる衣装を合わせた3着が一気にお披露目されました。しかも、HiBお揃いでない方の2着は、本人たちの希望が取り入れられ、和柄や小物へと反映されていました。そして何より布が豪華。テロテロな布ではなく上質なもので、組み合わせた布も多く原価がかなりかかっているようでした。



衣装ガバガバ作るウェーブは関西の方だけかと思っていましたが、突如HiHi Jetsもコンサートをほぼオリ衣装でやる側にやってきました。ジュニアの定番であるお下がり衣装、今回はオープニングの1曲と、各ソロ曲くらいなんですよね。そんな贅沢なジュニアのコンサートがあっていいのかと、HiHiがひとつ上の段階に来たことが衣装の多さから感じられました。


そして第二に、オープニング1曲のためだけに着る衣装が登場したこと。ゴンドラに乗っている間だけメンバーカラーの装飾つけたロングコートを着ている5人。これ、JUMPがリトラのディズニー回で着て、それ以降日の目を見ることなく眠っていたものなんですよ。冬の外ロケに向け、厚手の布にディズニーに合わせてキラキラと細かい装飾がたくさん縫い込まれている本当に王子様のようなとても綺麗な衣装です。


長めのロングコート衣装に次の曲の衣装を仕込むというのは、デビュー組でよく見られる工夫です。ジュニアだけのコンサートは衣装替えは多くなく、1曲だけ着るなんてそんな贅沢なことはできません。でも、今回はオープニングのたった1曲だけ、しかもその1曲がメンバー紹介曲であることからメンバーカラーの装飾が付け足されていました。ここに予算を使う思い切りも、その企画が通る環境も、2年前とはもう全然違う。コンサートの初っ端から、もうHiHi Jetsは今までとは違うんだとありありと今の状況を見せつけているようでした。


衣装から彼らの状況を考えてみるだけでも、HiHi Jetsはもうずいぶんとジャニーズジュニアとしてお兄さんなグループになっていました。
  

2年ぶりの生HiHi Jetsを見て感じたこと


2年という果てしない時間で、少年たちがもう大人の世界へと足を踏み入れていました。

衣装の豪華さもそうですが、何より生で見て感じたのは彼らがもう次のステージへと向かおうとしていること。今回のステージはHiHi Jets立志式のようだ、と思いました。


初めに感じたのは、一発目のメンバー紹介ラップ→$10→Lucky Manの曲の流れから。コンサート序盤の数曲は、そのコンサートのコンセプトを示すものだと私は思っています。特にデビュー組は、ここでしっかりコンセプトを見せて会場盛り上げ曲に移る流れが多い。


コンサートの印象を決める序盤曲で、まずはご挨拶に自分たちの自己紹介と、声を出せないコンサートの盛り上がり方の方法を会場で共有し、続いてはトップアイドルと呼ばれたSMAPの大人なナンバー、そして挑戦的で強気な嵐のLucky Man。

コートを脱ぎ捨てたら、5人揃いのジャケットで踊り出すHiHi Jets。偶然なのか狙っているのか、SMAPも嵐も5人グループで、"国民的"と呼ばれた時代を彩るアイドルです。パイオニアたちの楽曲を今のHiHi Jetsらしくアレンジするショーの始まりに、「俺らこれからどんどん上目指して行くよ、エンターテイメント見せてやるよ」ってそんなメッセージが隠れているような気がしました。

象徴的だったのは、Lucky Manのサビで、舞台奥から5人が上を指差しながら一斉に前に歩き出すシーン。「No.1 hero of new salvation ! I am so lucky man」とナンバーワンにかけているのでしょうか。低姿勢からぐんぐんと前に進んでくる演出もすごく強気な感じがして、今のHiHi Jetsを表している一瞬にも見えました。絶対に楽しいコンサートだと確信させてくれる技量が彼らにはもう備わっているようです。



コントに真剣だったり、MCを時間ギリギリまで粘ってみたり、いつもの変わらないHiHiたちを見られる一方で、ファンをあんなにもじっくりと見て関わる姿を初めて見ました。


これまでのシアタークリエやEXシアター、湾岸と狭い箱でライブをして、たくさんのファンサ タイムがありました。ちょうどHiHi JETができた年頃から、ジュニア現場の多くの会場で「うちわ」が禁止になったので、オタクは拳とペンライトでジュニアたちにファンサを求めてきました。HiHiにとってあんなにもたくさんの自分たちのうちわがある会場は初めてだっただろうと思います。


ジュニア祭りや8.8祭り、勝利くんのサマパラバック、春の合同TDCと、もちろんうちわを持てる機会もあったけれど、HiHi Jetsだけのうちわだけがたくさんある空間は私も初めてでした。


拳じゃない、うちわの文字を見る姿。5人ともじっくりと会場を見渡して、ひとつひとつのうちわを見ていたように思います。作間くんが次から次にネタうちわを捌いて行く姿、遠くのうちわを読もうとして「見えない!」と手振りをする優斗くん、バンクで飛び上がった瞬間に自分のファンを狙い撃ちする猪狩くん、ひらひらとお手振りしながらファンに喋りかける涼くん、やりたくないファンサにニヤニヤしながら「いや!むり!」って意思表示をしっかり示すようになった瑞稀くん。HiHi Jetsがファンを見る目が優しくて、自分にファンサがもらえなくてもその姿を見るだけで胸が温かくなりました。




今年の夏は、HiHi Jets5人それぞれが毎公演自分の言葉で挨拶をする場面がありました。過去を振り返ったり、メンバーやスタッフ、ファンのみんなに感謝を述べたり、これからの未来を語ったり、今の自分たちが思うことを言葉として紡ぎ出す毎日。

ファンに語りかけるようで、自分の気持ちを整理して言い聞かせているようで、毎日毎日HiHi Jetsのリアルな言葉を浴びました。5人とも方向性は一致していて、みんなHiHi Jetsという居場所が大好きなこと、周りの人にはとても感謝をしていること、そしてデビューのその先を見据えていること。

ああ、これはHiHi Jets立志式だと思いました。いろんな過去を引っくるめて彼らは未来に突き進むことを決めた。その覚悟は人生を賭けるほどで、このサマパラはそれを宣言する場でした。TDCに来た私たちファンは、それの立会人。2年という長い時間会えなかったけれど、久しぶりに会えた自分たちだけのファンに、自分たちの言葉で未来を誓う場だったように思います。


あの言葉を生で聞いて、あのファンサを見た時、もうここには戻ってこないだろうと感じました。HiHi JetsにTDCという箱はもう小さすぎる。「誰も置いていかない」HiHiは言うけれど、それはもっともっと大きな会場に行くという裏返しでもあります。

うまく言葉で伝えられないけれど、こんなにもファンサをしてくれるのはこれが最後なんじゃないかと思いました。Mr.KINGがデビューを直談判したときの、あの夏のコンサートでも感じた空気感。愛おしそうにファンを見つめる姿は、その光景を焼き付けているようにも見えて、このコンサートを区切りにして次の章へと進んでいくようです。


この夏がきっと振り返った時にターニングポイントになると思う。生で見て、感じて、今のHiHi Jetsを浴びれてよかった。これからもっと遠くへ旅立つ5人をこれからも見守っていたいと思います。